2020年2月6日木曜日

有酸素性運動の条件

 有酸素性運動とは,必要なエネルギー源(ATP)をつくりだす時に酸素を利用する運動だということを,前回,お話しました.補足しておきますと,同じ種類の運動でも,やり方によっては酸素を多く利用したり,そうでなかったりします.酸素を多く利用するということは,血液をたくさん循環させたり,脂質をたくさん燃焼させたりするわけで,酸素を多く利用するほど,健康増進のメリットは大きいと言えます.

では,どのように運動すると,酸素を多く利用できるのでしょう.有酸素性運動の代表はウォーキングやジョギングですが,これらに共通する特徴を考えると,運動で酸素を多く利用する条件が見えてきます.それは,休まないで連続的に体を動かすこと,お尻や太ももなどの大きな筋肉を使うこと,テンポが一定であることです.ある程度の時間,休まずに続けるためには,そんなにきつくない運動であることも重要です.これらの条件を満たすことで,多くの酸素が利用され,疲れにくい体をつくったり,生活習慣病を予防したりできるのです.

見方を変えると,これらの条件を満たすことができれば良いわけで,ウォーキングやジョギングにこだわる必要はありません.サイクリング,水泳,エアロビック・ダンス(いわゆるエアロビクス)も良いですし,サーキット・トレーニング(自転車こぎ等と筋力トレーニングを交互に行う)も部分的には有酸素性運動だと言えます.基本条件さえ押さえておけば有酸素性運動の効果が得られるわけで,工夫次第でそのバリエーションは無限です.そうは言っても,手軽に実施できて効果も確かという意味ではウォーキング・ジョギングは抜きんでていて,やはり,有酸素性運動の基本はウォーキング・ジョギングなんですけれども.次回は,有酸素性運動の条件について,もう少し詳しく説明します.

ウォーキングに飽きてしまったら?(前篇)

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