今回のシリーズは,忙しい中で,いかに効率よく健康の増進を図るかがテーマでした.2つの方法をご紹介しましたが,他にも色々ありますので,次の機会にご紹介しようと思います.
でも,以前もお話ししたかもしれませんが,どんな内容であっても「ともかく身体を動かす」ことはとても大切です.私がお薦めしている30~60分間の有酸素性運動は効果が出やすいので,過去から現在まで,多くの研究者が採用しています.でも,最近のスポーツ健康科学は研究レベルが上がってきて,測定の制度が良くなったり,より大規模の研究が実施されたりして,これまで見逃していた小さな運動効果も検出できるようになりました.いずれご紹介しようと思いますが,過去には「運動」とみなされていなかった低強度の身体活動や,もっと言うと,座った状態が長く続かないように30分毎に立ち上がることなどが健康の増進に役立つという研究成果も出てきました.厚労省は「+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう」というキャッチフレーズで運動量の増加を促していますが,語感も良いし,的を射たグッド・フレーズだと思います.
まとめますと,ウォーキングは,1)まずは30~60分間×週3~5回を目指す,2)時間のとれない時は,少し強度を高めて運動時間を短縮する,または,何回かに分けて運動を行い1日トータル30分間を目指す,3)それも無理な時は,ともかくできることをやる(以前ご紹介した筋力づくり運動も良いですね),そして,4)どうしようもない日は潔くあきらめる(運動できないことをストレスに感じない),ということでしょうか.無理せず,コツコツ長く運動を続けて頂きたいと思います.