2020年4月16日木曜日

心拍数計が無いときは?(前篇)


 何度も繰り返しますが,ウォーキング中に心拍数を測定し,心拍数が年齢から推定した最大値の6575%になるペースでウォーキングすることを,私たちはお勧めしています.でも,もっと気軽にチャレンジしたい,という需要もありますよね.そんな時はどうすれば良いでしょう.

客観的な指標(心拍数)を使えない,使いたくない時は,主観的なペース設定もOKです.この時のポイントは,1)普段の歩行よりも速く,2)無理はしない,です.人間は色々な物事に良くも悪くも慣れる生き物です.私たち運動生理学者は,ある種の活動に慣れることを「適応」と呼んでいます.皆さんの身体は普段の歩行にすっかり適応していますので,普段通りに歩いても,今よりも健康になったり,元気になったりすることは難しいのです.そういう訳で,効果を出すためには普段よりもスピードを出して心臓や筋肉を刺激することが必要なのです.

 しかし,無理は禁物です.以前,無理をすると免疫力が下がって風邪を引きやすくなることをご説明しました.また,膝や腰を痛めることも心配です.どうすれば無理をしないで済むかは,次回,お話ししましょう.

最後にもう一つ.普段通りのスピードで歩くことに意味が無いのではありません.現在の歩行は現在の健康維持に役立っているのです.普段のスピードですら歩かなくなったら,健康も体力も衰えてしまいます.COVID-19が心配な状況ですが,一人ひとりが工夫して,歩数を減らさない様にしたいですね.

ウォーキングに飽きてしまったら?(前篇)

 ウォーキングは健康・体力づくりにとても良い運動だと思います.生活習慣病やメタボリック・シンドロームの予防に効果的ですし,特別な用具・技術は不要で気軽に実施できます.やわらかい日差しを受け,心地よい風を感じたり景色を楽しんだりすれば,心も軽くなりますよね.ウォーキングのイベントを...